気候変動への取組み

気候変動への取組み

目次

  1. 気候変動への考え方
  2. TCFD提言への開示
  3. TCFDに係るガバナンス体制
  4. ESG経営・推進体制/サステナビリティ委員会体制図
  5. 戦略
  6. リスク管理
  7. 指標と目標
  8. Scope1 CO2排出量と売上高原単位の推移
  9. Scope2 CO2排出量と売上高原単位の推移
  10. サンケングループのScope3の実態数値開示
  11. 第三者検証について
  12. サンケングループのGHG排出削減に向けた取り組み
  13. 省エネ法・地球温暖化対策推進法への対応
  14. 再生可能エネルギーの活用:GHG(温室効果ガス)排出量削減
  15. オンサイトPPA活用状況
  16. 実質再生可能エネルギープランの利用 福島サンケン
  17. 風力発電購入 大連三墾電気
  18. サンケン電気 半導体信頼性評価センター
  19. サンケン電気 ものづくり開発センター
  20. 効率的な電力使用 エネルギー施策

気候変動への考え方

CDPロゴマーク当社はTCFDおよびCDPの活動に賛同しています。

サンケングループは、「脱炭素」「生物多様性の保全」「廃棄物管理による環境負荷低減」をマテリアリティ(重要課題)と定め、気候変動や生物多様性、循環型社会づくりといった地球規模の共通課題に対して、本業(省エネ・高効率化)によるCO₂の排出削減と、事業活動を通じた環境負荷の低減に取り組むことで、事業機会の拡大および社会課題の解決、持続可能な社会環境の実現を目指しています。

基本的な考え方

TCFD提言への開示

サンケングループでは、「持続可能な社会環境の実現に向け、高い信頼性と最先端の技術を用いたパワーエレクトロニクスとその周辺領域の製品の開発・生産・販売を通じて、国際社会の発展に寄与」することをグループCSR基本方針のひとつとして掲げています。持続可能な社会環境を実現するためには、気候変動への対応が重要課題であると認識しており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿った取り組みならびに情報開示を進めています。

TCFDロゴ

TCFDに係るガバナンス体制

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言の「ガバナンス」項目では、気候関連のリスクと機会に対応するガバナンス体制の設置と開示が求められており、当社では「ESG経営」を組織横断的に審議する「サステナビリティ委員会」がその役割を担っています。
委員長は、「ESG担当役員」である取締役 川嶋 勝巳が任命され、委員については、各部門の統括部長級以上のメンバーにより構成されています。
同委員会では、気候関連のシナリオ分析、気候変動に関するリスクと機会の特定・評価、およびリスクと機会への対応策の検討と進捗状況の確認に関する協議・審議を行っています。業務執行の最高責任者である代表取締役社長の諮問機関として、年に2回以上、経営会議に付議・審議した議案を取締役会に報告しており、適宜情報開示も行っています。
また、サンケン電気では世界中の機関投資家・購買企業・イニシアチブの要請に応える目的でCDPを通じた気候変動に対する環境活動の情報開示を行っています。
気候関連では以下のような内容について審議を行います。

  • 気候関連のシナリオ分析
  • 短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会の特定および重要度評価
  • 特定した重要な気候関連のリスクと機会に対する戦略的な取り組み方針
  • 気候関連のリスクと機会への具体的な対応策の検討
  • 気候関連のリスクと機会に関して採用された対応策の進捗管理

ESG経営・推進体制/サステナビリティ委員会体制図

ESG経営推進体制図

戦略

サンケングループは、半導体・電子応用機器製品の設計、開発、製造、販売事業を展開しており、気候変動による影響を多方面に受けることが予想されます。そのため、中・長期的な視点で気候変動のリスクと機会を特定し、当社グループの事業への影響を把握するとともに、適切な対応を経営計画に組み込むために、シナリオ分析を通した気候関連影響評価を行っています。
分析にあたっては、右表に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオを参照しています。従来の4℃シナリオに加え、低炭素経済における1.5℃シナリオを用いた分析を行った結果、炭素税の導入による移行リスクおよび電力価格高騰による財務リスクなどがあることがわかりました。
気候変動に伴う中長期(2030年および2050年)の社会環境およびビジネス環境の変化に対応するため、当社サステナビリティ委員会において、当社製品およびサプライチェーン全体を通じて、気候関連の課題および課題への社会的な対応がどのような影響を及ぼしうるかについて審議し、気候関連のリスクと機会を特定しています。気候変動のリスクと機会は、事業活動そのもののリスクや機会でもあるため、その他のリスクとともに経営計画に組み込んでいます。

世界観 分析に用いたシナリオ
1.5℃, 2℃ Sustainable Development Scenario (SDS), IEA, 2020, 2021
Announced Pledges Scenario (APS), IEA, 2021
Representative Concentration Pathways (RCP2.6), IPCC, 2014
4℃ Stated Policy Scenario (STEPS), IEA, 2020, 2021
Representative Concentration Pathways (RCP6.0, 8.5), IPCC, 2014

リスクと機会の特定方法

製品およびそのサプライチェーン全体に係る気候変動関連のリスクと機会を各STEPに従い特定しました。

STEP1 考えられるリスクと機会の列挙
STEP2 本社・工場の各部門長により、重要度を以下の5項目基準、3段階分類にて分析
● リスクが顕在化した場合に受ける影響の大きさ(財務的・戦略的)
● 影響を受ける期間(どの程度の期間、影響が続くか)
● 発生頻度(リスクが顕在化した際に影響を受ける頻度はどの程度か)
● 顕在化する可能性(リスクが顕在化する可能性はどの程度考えられるか)
● 顕在化する時期(リスクが顕在化するのはどの程度先の将来か)
STEP3 結果の集計(項目の重みや重要度高の頻度も考慮)と類似項目をまとめ、
リスク5個、機会3個を特定し、その重みを「大」「中」「小」に評価・分類

リスク

シナリオ分析の結果、炭素税の導入など気候変動対策を進める政策手段の導入や規制強化によるエネルギーコスト等の上昇により、当社の業績が大きな影響を受ける可能性があります。

種類 主なリスク 施策 重要度
移行リスク 政策および規制 化石燃料価格上昇により、電気代が高騰し操業費用が上昇 CO2排出量の削減
・省エネ活動
・再生可能エネルギーへの電力置換え
・生産時の効率化
・輸送の最適化
・リサイクルの促進
大
炭素税導入により、操業費用が上昇 大
気候変動の新たな規制の強化により、既存製品の需要減少に伴う売上の減少 中期経営計画による省エネ・高効率の新製品開発で売上拡大 中
評判 気候変動対策が遅れることにより、ステークホルダーからの信頼が下がり、市場評価が低下 カーボンニュートラル実現に向けた計画を策定し実行 中
物理リスク 急性 自然災害等により生産への影響、サプライヤーの操業停止や物流機能被害によって売上が減少 危機管理体制の充実等リスク管理の強化 小

機会

シナリオ分析の結果、効率的なエネルギー資源の利用、社会やお客様の低炭素ニーズに合った製品の提供などが、当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。

種類 概要 施策 重要度
製品およびサービス カーボンニュートラルに向けた商品の市場拡大(車載・白物家電等)により売上増 ・インバータ向け製品の開発
・IPMの開発
・高効率電源デバイスの開発
・次世代半導体の開発
大
資源の効率 生産ラインおよび社内インフラの省エネ・省資源化 DX・スマートファクトリー導入 大
評判 生産段階でのカーボンニュートラルを推進することでステークホルダーからの信頼向上 カーボンニュートラル実現に向けた計画を策定し実行 中

リスク管理

  • 気候変動関連リスクについては、サステナビリティ委員会で審議し、審議された内容は経営会議で周知され、取締役会に報告されています。
  • また、サステナビリティ委員会の下に環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に特化した部会を設置、その社会(S)部会の下に危機管理委員会を設置し、自然災害や情報管理リスクなどに対応しています。
    また、ガバナンス(G)部会の下に内部統制推進委員会を設置することで、当社およびグループ会社の各部門における業務の点検を支援するとともに、全社レベルおよび業務プロセスレベルにおける統制活動の有効性を審査・評価しています。これらのリスク管理の内容はサステナビリティ委員会に報告され、そこで気候変動関連リスクを含む全ての事業リスクについて統合的に管理されます。

指標と目標

2015年のパリ協定の決定を踏まえ、シナリオ分析を行った結果、気候変動により平均気温が4℃上昇するシナリオでは物理的リスクとして拠点の洪水など被災リスクの上昇による財務リスク、低炭素経済に移行する1.5℃シナリオでは炭素税の導入による移行リスク、電力価格高騰による財務リスクが大きいことがわかりました。
一方で、1.5℃シナリオにおいては、自動車のEV化の進展により、当社グループが製造するxEV向け半導体デバイスの売上機会が生じることもわかりました。これら気候関連リスク・機会のうち、炭素税の財務インパクトが最も大きく、最優先で取り組むべき気候関連課題であることが判明しました。

サンケングループのCO2排出削減目標

目標
  • サンケングループは国内・国外(大連)を対象に、2020年を基準年とし、2030年度Scope1(エネルギー起源CO2)およびScope2において33%削減を目標として位置づけております(産業革命後の気温上昇を2℃未満に抑えるシナリオ)。
  • 今後は、2030年に向けて削減活動を加速させ、さらなる施策の展開を図り、気候変動リスクの低減に努めるとともに、2050年カーボンニュートラルに向けて取り組んでまいります。
具体策
  • 国内外省エネの活動の推進
  • 太陽光発電の導入
  • 再生可能電力への転換
Scope3について
  • サンケングループにおけるScope3の排出量は388kt-CO2(2024年度)となっています。
  • 今後Scope3算出の精度を向上させるとともに削減目標を定めてまいります。

Scope1 排出量と売上高原単位の推移

Scope1 CO<sub>2</sub>排出量と売上高原単位の推移

Scope1 CO<sub>2</sub>排出量と売上高原単位の推移

Scope2 CO2排出量と売上高原単位の推移

Scope2 CO<sub>2</sub>排出量と売上高原単位の推移

エネルギー起源CO2削減率(2020年度比)

目標 実績
2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
Scope1削減率 ー 8.7% 3.4% 4.9% 3.2% 11.6%
Scope2削減率 ー 6.2% 13.0% 23.2% 26.1% 38.1%
総削減率 2020年度比
33%削減
6.3% 12.3% 21.8% 24.4% 36.1%

サンケングループのScope3の実態数値開示

サンケングループのGHG排出量のうち、全体の80%をカテゴリ1 購入した製品・サービスが占めています(1位ファンドリ、2位ウェーハで 30kt-CO2)。その他は、輸送・配送(上流下流)エネルギー関連活動の比率が比較的大きく、今後算出結果を元にScope3の新たな削減目標を策定していきます。

NO. カテゴリ 2020年度
(t-CO2)
2022年度
(t-CO2)
2023年度
(t-CO2)
2024年度
(t-CO2)
2025年度
(t-CO2)
① 購入した製品・サービス 204,823 230,458 244,216 306,712 348,743
② 資本財 9,437 17,259 18,087 11,733 10,553
③ Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 11,651 9,999 40,956 38,176 12,116
④ 輸送、配送(上流) 3,933 11,486 8,926 10,451 10,398
⑤ 事業から出る廃棄物 288 3,667 2,654 2,590 3,060
⑥ 出張 463 365 340 329 321
⑦ 雇用者の通勤 1,072 1,250 4,144 3,808 2,521
⑧ リース資産(上流) 対象外 対象外 対象外 対象外 対象外
⑨ 輸送、配送(下流) 9,632 対象外 対象外 対象外 対象外
⑩ 販売した製品の加工 対象外 対象外 対象外 対象外 対象外
⑪ 販売した製品の使用 対象外 対象外 対象外 対象外 対象外
⑫ 販売した製品の廃棄 1,538 11,452 9,890 14,157 9,209
⑬ リース資産(下流) 対象外 対象外 対象外 対象外 対象外
⑭ フランチャイズ 対象外 対象外 対象外 対象外 対象外
⑮ 投資 対象外 対象外 対象外 対象外 対象外
計 242,837 285,935 329,213 387,957 396,921

第三者検証について

サンケングループでは、温室効果ガス(GHG)の排出量に関して、データの信頼性と透明性を確保するために、第三者専門機関による検証を受けています。

検証意見書へのリンクはこちら

サンケングループのGHG排出削減に向けた取り組み

各事業所での節電活動、設備更新における「CO₂削減効果」を考慮した設備投資、各拠点での太陽光発電の積極導入、再生可能エネルギー・自然エネルギーの積極活用を行っています。

省エネ法・地球温暖化対策推進法への対応

「省エネ法」ならびに「温対法」に基づき、エネルギー管理統括者等の選任ならびに実績報告対象の全事業所が中長期計画書および定期報告書を監督官庁に提出しています。
今後も法令に基づいたエネルギーの管理および有効活用に努めてまいります。

再生可能エネルギーの活用:GHG(温室効果ガス)排出量削減

サンケングループでは、GHG排出削減に向けて、再生可能エネルギーの積極活用を推進しています。太陽光、水力、風力 由来の電力利用を進めております。
  • 2022年 サンケングループCO2削減目標の設定。
  • 2022年 福島サンケンにて再エネ電力100%購入。
  • 2023年 石川サンケンにて堀松工場及び能登工場にてオンサイトPPA導入。
  • 2023年 福島サンケンにてオンサイトPPA導入。
  • 2023年 大連三墾電気にてオンサイトPPA導入、購入電力の一部を風力発電へ切替。
  • 2024年 大連三墾電気にて風力発電購入割合の拡大中。
  • 2026年 福島サンケン電力購入プランを実質再生可能エネルギープランへ変更。
  • 発電事業者(PPA事業者)が需要家の敷地内に発電設備を設置して、電気を提供する仕組み

敷地内太陽光発電および、オンサイトPPA導入

サンケングループ3社4工場(石川サンケン堀松工場・能登工場、福島サンケン、大連三墾電気)ではオンサイトPPA方式を活用し、未使用となっていた工場敷地内グラウンドおよび施設屋上に 太陽光発電設備を設置しています。
本取り組みにより、発電した電力を自社施設で直接利用することで、電力使用に伴う温室効果ガス排出量の低減に寄与するとともに、 遊休資産の有効活用にもつなげています。

石川サンケン_堀松工場
石川サンケン_堀松工場
石川サンケン_グラウンド
石川サンケン_グラウンド
石川サンケン_能登工場
石川サンケン_能登工場
福島サンケン
福島サンケン
大連三墾電気有限公司
大連三墾電気有限公司

実質再生可能エネルギープランの利用 福島サンケン

福島サンケンでは東北電力が提供する実質再生可能エネルギープランを利用しています。
本プランは、非化石価値を活用することで、実質的に 再生可能エネルギー由来と評価される電力を使用するものであり、製造拠点におけるCO₂排出量削減に寄与しています。

風力発電購入 大連三墾電気

2024年1月より大連三墾電気では風力由来の電力購入を開始しました。2023年度使用電力の4.9%を風力由来電力、2024年度は30.6%と拡大しております。

 

サンケン電気 半導体信頼性評価センター

2019年4月、石川サンケン本社敷地内に「半導体信頼性評価センター」が稼働しました。これまで、本社・石川サンケン数か所に分離していた製品評価を1ヵ所に集約し、製品開発の評価スピードを改善することができました。
また、環境面においても、排熱を考慮したフロア設計および評価装置を集約したことによる空調効率の改善によって、電力料金を年間22百万円削減することができました。

半導体信頼性評価センター 半導体信頼性評価センター

サンケン電気 ものづくり開発センター

2021年4月、本社敷地内に開発と生産が一体となったプラットホーム開発技術の拠点となる「ものづくり開発センター」を建設し、新製品開発の効率化を進めています。
また、環境面においても、室内照明にライトシェルフやトップライトを採用。昼光を取入れる事による自然エネルギーの利用によりCASBEE評価Aを達成しております。

本社「ものづくり開発センター」
本社「ものづくり開発センター」
3階試験室
3階実験室

効率的な電力使用 エネルギー施策

サンケングループでは再生可能エネルギーの購入推進だけではなく効率的なエネルギー利用に向けた施策も展開しております。グループとしては売上高原単位で前年比1.5%減を活動指標として省エネ活動を進めております。

活動事例

4台の空調機ファンインバーター周波数変更を実施し、クリーンルームの陽圧維持を確保しながら、電力量を約3,492kWh/月削減しました。

一例 空調機インバーター周波数変更
インバーターによる周波数変更は、空調機のモーター回転数を制御し、省エネ効果や設備寿命の延長を目的としています。今回の事例では、周波数を43Hzから39Hzに変更し、電力量を削減しました。

導入効果

空調効率化
  • エネルギー効率向上
  • 運転コスト削減
  • 設備の長寿命化