GaNデバイス事業化加速のための企業買収に関するお知らせ
サンケン電気株式会社(以下、「当社」)は、2025年3月27日開催の取締役会において、独自の窒化ガリウム(以下、「GaN」)エピタキシャル技術を保有する株式会社パウデック(本社:栃木県小山市、代表者:成井啓修氏 以下、「パウデック」)の株式取得(以下、「本買収」)を決議しましたのでお知らせいたします。なお、本買収の完了は2025年4月1日を予定しております。
1.パウデックの概要
(1) 社名 |
株式会社パウデック |
---|---|
(2) 所在地 |
栃木県小山市若木町1-23-15 |
(3) 設立 |
2001年 |
(4) 代表者 |
代表取締役社長 成井 啓修 |
(5) 資本金 |
50百万円 |
(6) 事業内容 |
GaN系半導体エピ基板及びGaN結晶成長の開発・生産 ・AlGaN/GaN GaN-HEMT基板 ・GaN/サファイア GaN-テンプレート基板 AlN-テンプレート基板 ・AlGaN/サファイア 紫外線センサ基板 GaN系パワーデバイス開発受託 ・パワートランジスタ/ダイオード |
2.本買収の背景及びシナジー
今後もパワー半導体の市場規模は拡大し、特にGaNパワーデバイス市場は急成長が見込まれます。当社は2024年中期経営計画における新技術領域として、化合物デバイスに注力する要素開発を掲げ、将来に向けた成長にも、積極投資を進めていくと表明しておりました。また、最先端技術の開発推進に加え、その実現力を高める施策として、積極的な社外との協業を通じた、開発スピードの加速と開発の質的向上を両立した企業価値向上への取り組みを定義してまいりました。
当社が買収するパウデックは、高性能なGaNパワーデバイスを実現できる、PSJ(Polarization Super Junction)技術に関する特許を多数保持しており、当社が今後拡大を狙うGaNパワーデバイス市場において、競争優位性のある技術力を保有しています。この高度な技術力を当社に加えることによって、以下のシナジーを追求することができます。
- 当社の高耐圧パワーモジュール・パワーデバイスに取り込むことで、従来のSi-IGBT/MOSFETよりも高耐圧、低損失、低発熱、高速スイッチングが可能となるGaNパワーデバイスの開発が加速する
- 当社の強みの一つである制御技術によって最適なGaN駆動用ドライバーも開発し、同一パッケージに組込むことで、より顧客が設計しやすい製品を提供することができる
- 当社のアプリケーション領域である、自動車・白物家電・産業機器の各市場における顧客の最終製品において、省電力、小型、軽量化に繋げることができる
- さらに、CO2削減などの環境面における貢献にも寄与することが期待される
3.今後の見通し
本買収に係る費用概算額は、約13億円であり、2026年3月期に計上する予定です。当社の連結業績に与える影響について、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示いたします。
なお、当社は今後も市場成長を上回る成長を実現し、企業価値向上を実現すべく、化合物デバイス領域をはじめとする成長領域への投資に継続して取り組んでまいります。
以上
記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。