エアコンやテレビなどの家電製品には、供給された電力を家電製品が必要とする電力の形に変換するためのスイッチング電源装置が搭載されています。エネルギー問題の深刻化に伴いエネルギーロスを減らすことが求められている昨今、より高効率な制御を実現するためにアナログ電源からデジタル電源への置き換えが進んできました。私が担当しているのはこのデジタル電源用ICの開発です。デジタル電源はまだ新しい技術で、各社が開発競争にしのぎを削っています。サンケン電気はCPUコアに加えてDSPコア、EPUコアを搭載したマルチコア方式で業界をリードしています。このプロセッサの設計を通じて家電製品のさらなる省エネ化を実現し、地球温暖化の解決に寄与できることにやりがいを感じています。
入社当時からグローバルな視点を身につけたエンジニアになりたいと考えていたため、入社5年目に米国で1年間の研修を受けられたことは大きな転機となりました。これはGCD※と呼ばれる社内制度を利用したチャレンジです。米国では様々なことを学びましたが、最も印象的だったのは“自ら動かなければ何も始まらない”と身をもって体験したことでした。様々な国から来ている社員と交流したいのならば自分から声をかけて動かなくてはなりません。知人を得るために私も自ら積極的に行動。英語は苦手だったものの、おかげで多くの友人をつくることができました。ここで学んだ“一歩を踏み出す”大切さは、仕事にも通じるものです。
最近結婚しました。子供はまだですが、いずれ出産、子育ての時期を迎えることになるかもしれません。女性ならではのライフイベントを乗り越えながらエンジニアとして長く働きたいと考えていたので、特に不安はありません。テレワーク、フレックスタイムなどの制度が整い、子育て環境が整備された働きやすい企業として認知されていることも大きな安心材料です。何よりも社員同士が“お互い様”の文化が根づいているのか、子育て中の社員に対して周囲が温かく見守ってくれることを嬉しく感じています。恵まれた環境の中で仕事と子育てを両立させ、グローバルに展開する新たな製品の開発に携わりたいと考えています。