私は心の底から実験が大好きな“リケジョ”でしたから、社会人になってもただひたすら実験に打ち込みたいと思ってサンケン電気に入社しました。以来自分なりにテーマをもって1歩ずつ階段を上ってきて、気がついたら課長になっていたという感じです。
今は女性エンジニアもたくさんいますけれど、当時はどんな状況でしたか。
私が入社した頃は少なかったですね… 初めての女性管理職が誕生したのも、私が2年目のときでした。仕事の内容も、女性エンジニアはサポート的な役割が多かった気がします。
今は働く上で男女の違いを意識することはまったくありませんし、子育てしながら働く女性エンジニアもたくさんいます。サポート役ではなく主体的に仕事に取り組む人が多いように感じます。
産休、育休を取得後、皆さんごく自然に職場へ復職されていますね。N.K.さんが入社された頃から、会社の考え方が変わってきたのでしょうか。
サンケン電気は昔から産休・育休を取って復職される方が多い会社だと聞いています。そこに加えて、政府が2003年に女性管理職比率を掲げ、2016年に「女性活躍推進法」が施行された頃から社会全体で女性の活躍を後押ししようという風潮が強まりました。サンケン電気もその影響を受け、2013年に「女性キャリア支援研修」※がスタートしました。それによって、一緒に研修を受講した男性上司の女性に対する固定観念が徐々に変化し、女性エンジニア自身の意識もキャリアアップに前向きになってきたように思います。
※女性キャリア支援研修
女性が活躍できる企業風土づくりを目指し、ダイバーシティ推進の一環として実施されている女性活躍推進のための研修。
そうした追い風を受けながらもN.K.さんたちが道を開いてきてくれたことは間違いないと思います。私自身、入社時には明確なキャリアビジョンはなかったのですが、先輩方の姿に刺激を受け、結婚、出産を経ても働き続けるのが自然だと思うように考えるようになりました。
実は私が就職活動でサンケン電気の説明会に参加したとき、ある就活生が手を挙げて「育児休職後に復職できますか?」と質問があったのを覚えています。私も“元の職場には復職できなくてもやむを得ないかもしれない”と思っていました。けれどむしろ出産や子育てで退職する人のほうがレアケースですし、今は元の職場に復職する方も多いと感じます。N.Kさんたち先輩方の開いてくれた道に感謝しています。