HOME > CSR情報 > 活動報告 > 2017年CSR活動ハイライト

2017年CSR活動ハイライト2017年CSR活動ハイライト

環境対応製品
環境対応製品

小型(ハーフサイズ)・薄型(1Unit)48V50A高効率整流器ユニットの開発

開発機種

従来機種との比較

スマートフォンに代表される移動通信各事業者の基地局において通信用電源装置は設置場所も限られ、多くが小型化、軽量化、低消費電力化が進んでいます。当然ながらその基地局内の装置に収容される「整流器ユニット」にも小型(高密度実装)、軽量、高効率が要求されてきています。

このような状況の下、従来機種と比較して多くの点を改善した高効率整流器ユニットを新規に開発しました。本製品の大きな特徴は、下表のとおりユニット外形の大幅な小型化です。

体積比で従来機種の約半分の大きさを実現したことで、使用部材削減の面からも省資源につながっております。消費電力削減に関しても、様々な工夫を施し、高効率化を達成しました。

通常使用されると考えられる60%負荷時の効率改善に特に注力し、従来機種に比べ5.4%も向上を達成、これにより、負荷が軽い状態の際でもCO2削減、ランニングコスト低減に寄与できます。

  従来機種 開発機種
幅(mm) 480 229
高さ(mm) 43 42
奥行き(mm) 400 400
体積(mm3 8,256 3,848
  従来機種 開発機種 改善%
100%負荷の時 91.60% 96.08% 4.48%
60%負荷の時 90.74% 96.14% 5.4%

【消費電力削減の改善 ポイント】

  1. PFC回路と呼ばれる力率改善回路に使用しているダイオードの損失を削減
  2. 2次側の整流回路の方式を変更
  3. 変換周波数帯を変更
  4. トランスの利用効率を負荷に応じて最適に調整
  5. 従来は3相まとめて制御していた回路方式を3相各相(R・S・T)それぞれのブロックに分けて最適制御出来るように方式を変更

出荷数量は1,500ユニット/年間を予定しています。新旧比較しますと年間で100%負荷の時は、1,133トンのCO2削減、60%負荷の時は、862トンのCO2削減に寄与します。(グラフ参照)

今後はさらなる効率向上に向け、開発を継続していきます。

60%負荷の時
年間CO2排出量比較(1,500台)負荷率60%
100%負荷の時
年間CO2排出量比較(1,500台)負荷率100%

HEV、EV車載電動コンプレッサー用ドライバーIC(SAE6500シリーズ)の開発

自動車市場においてハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)の需要が高まっています。

自動車のエアコンシステムでは、ガソリン自動車の時はエアコン温度調節するための動力に油圧コンプレッサーを使用していました。しかし、HEV、EV自動車では高電圧リチウム電池を電源として動作する電動コンプレッサーが搭載されており、それを駆動するための三相モータードライバーも必要になります。これは、これからの車における新しい市場であり、従来は、ディスクリート品で組み上げていたものをIC化する流れにもなっています。

今回、そのシステムに最適な製品としてモータに電流を供給するFS-IGBTとそのゲートを駆動するICなどを一つのパッケージに搭載した三相モータードライバーSAE6500シリーズを開発しました。

当社は、家庭用白物家電に使用される同様製品には長年の実績がありますが、本製品は自動車用として特に「低熱抵抗」、「絶縁距離確保」などの特徴を実現するために新規パッケージ開発を行ったものです。

また、モータ電流を回生するためのダイオードにも改良(ソフトリカバリー)を加え車載用途で求められる低ノイズ特性を実現しました。

さらに従来ディスクリート部品で構成されていたものをひとつのパッケージ化にすることにより小型、省スペース化(トータルで30%縮小)も実現することが出来ました。

こうして小型化したことで電動コンプレッサーの筐体を利用し、放熱が可能となりました。また、自動車の大敵であるノイズの発生の側面でもワンパッケージ化し内部配線が短くなることでノイズが発生しにくくなりました。

現在、SAE6500シリーズは、「650V30A品」、「650V50A品」の製品がありますが、今後は「650V50A品」の低コスト化などを考えています。

車載向け高効率オルタネータ用 低VFダイオードSG-17VLEFの開発

環境配慮のため、自動車のCO2排出量は、年々規制が強化され、自動車メーカー各社ではCO2排出量の改善の一環でオルタネータの高効率化も課題となっています。

「オルタネータ」について少し説明させていただきます。

安全・快適に走行するために自動車の多くの装置(例えば、ライト/パワーステアリング/パワーウインドウ etc)には電気が必要です。走行中に発電し、各装置やバッテリーへ電気を供給する役目を果たしているのが「オルタネータ」です。

オルタネータには、①ローターが回転しステータコイルに交流電圧を発生させ、②ダイオードを搭載したレクチファイアで整流し、③直流をバッテリーや各装置へ供給という機能があります。

オルタネータの中で通常6個搭載される当社製ダイオードが使われる環境は劣悪です。熱いエンジンルーム内にあり、整流に伴う発熱によって、保証温度は200℃超にもなります。さらにカバーなどが無く外部に直接さらされる位置にあります。

したがって、オルタネータ本体への実装方法もはんだ付けではなく機械的にはめこむプレスフィット型で設計しています。

今回、特にお客様のご要望が強い「オルタネータ用ダイオードの順方向降下電圧(VF)低減」の開発を行いました。

順方向降下電圧(VF)をいかに小さく出来るか?この課題解決に向けて当社独自の技術をプラスし、チップ(素子)内部にJBS構造を採用しました。

JBSとは、Junction Barrier Schottkyの略で改良型ショットキー接合ダイオードの一種です。

技術的にはPN接合部を設けることでサージ耐量を向上させ、さらにその間隔を狭くすることでIR抑制(漏れ電流抑制)も図った構造としています。高信頼性については従来同等になっています。

成果として、当社ダイオード単品でVFを従来品から30%削減でき、ダイオード搭載オルタネータの出力効率も従来品に対し2〜3%程度改善することができました。

今後は、さらなる効率改善で次世代の低VF品を開発する予定です。

650V低損失高速フィールドストップ型 IGBTの開発

家庭の消費電力量は、全体の約25%をエアコンが占めているといわれております。そのため、家庭での省エネ対策としては、エアコンの消費電力を削減すれば大きな効果が得られます。エアコンのみならず、白物家電をはじめとするパワーエレクトロニクス製品において近年、環境・エネルギーの観点から高効率化が重要な課題となっています。

さらにインバータ、無停電電源装置(UPS)などの産業機器分野、ハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)といった車載分野などで使用されるパワー半導体のスイッチングデバイスに対しては低損失化だけでなく、高耐量化も求められています。

以上のように各種機器への省エネ・安全性への要求が高まる中、低損失化・高耐量化を実現した「650V FS-IGBT」を開発しました。

たとえば、このデバイスはエアコンの電子回路の一部として、消費電力の低減と共に「高調波」という電源波形を綺麗にする対策として欠かせない「力率改善回路」と呼ばれる制御回路に使われます。

ひとつ課題があります。各種機器の電源部分の回路に使用される際には、どうしても高周波対応のためにIGBTのスイッチングを高速化しなければならず、そうした場合、オン電圧であるVCE(sat)が上昇してしまうという問題が発生してしまいます。

そのため、高周波対応IGBTとして、低スイッチング損失と低VCE(sat)を両立させるため、FS構造(Field Stop)のIGBTを採用し、改善を図りました。

FS構造で高周波化に対応すると共に、高耐量化にも対応したことで、既存のPT構造(Punch Through)IGBTでは困難であった市場についてもIGBTを適用することができました。

今後は、更なる低損失VCE(sat)型に向けプロセス開発を実施していきます。

出荷数は、約2.2百万個/年間を予定しており、本製品は様々な機器に搭載されることで、大量のCO2削減効果を発揮するものと考えられます。

ACで直接駆動可能な住宅設備用LED照明

LED照明の差別化のため、各社はこれまで発光効率をアピールしてきましたが、ここに来て発光効率が理論限界値に迫り、発光効率での差別化が難しい状況となってきました。

もちろん、これまでのような省エネのニーズはありますが、それ以上に、多様な設置条件をクリアすることが求められています。

当社は独自に位相制御によるLED制御技術を開発し、LED制御装置の劇的な小型化により、LED基板へ制御回路を集積したACダイレクトLEDモジュールの製品化に成功しました。

小型化にも関わらず、照明に求められる性能を維持・強化しており、省スペースと高性能を両立しています。

例えば住宅設備ではこれまで照明に必要な制御装置の設置場所を確保するために、収納庫の一部を使用したり、背面に隠したりすることが常識で、収納スペースの圧迫や配線の煩雑化が課題となっていました。

当社のACダイレクトLEDモジュールでは消費電力だけでなく、構成部材の小型化と削減により電源又はアダプター等を減らすことが出来ます。これによりデザイン性の高い住宅設備機器の照明のLED化が実現し、LEDならではのデザインと共に従来の蛍光灯器具よりも省エネな製品が実現可能です。

例えばある住宅設備機器に使用されたLED照明では従来の蛍光灯照明に比較して66%の省エネを達成しております。

長寿命で交換の手間及び廃却部材が省けるのも大きな特徴です。

今後は埋め込み照明用途などにも展開し、さらなる省エネ・CO2排出量削減など地球環境への貢献を目指していきます。

《置き換えによるCO2削減寄与》
  蛍光灯 LEDモジュール
消費電力 24W 8.0W
CO2 6.88kg 2.30kg
設計寿命 8,500H 40,000H
蛍光灯とLEDモジュール比較(単体)
※設定:使用人数4人家族
省エネ法の「住宅事業建築主の判断の基準におけるエネルギー消費計算方法の解説」の照明設備の年間点灯時間から算出
使用料金:22円/kWh CO2換算係数:0.378kg/kWh

マイクロプロセッサを使用せずに正弦波センサレス駆動を実現

高効率、低ノイズ、長寿命は、民生用アプリケーションに不可欠な要件となっており、BLDCモーターの需要が増加しています。BLDCモーターは、データセンター、コンピュータ、家電機器、バッテリ駆動機器の第一の選択肢になりつつあります。このBLDCモーターとA5932に搭載している高度な駆動アルゴリズムを組み合わせることにより、長寿命かつ高性能、高効率のソリューションを実現できます。またアレグロのA5932ファンドライバIC は、理解しやすいGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を使用することで、マイクロプロセッサとソフトウェアの開発が必要なくなり、開発サイクル時間を大幅に短縮します。

A5932には3相転流エンジンが内蔵されています。このアルゴリズムは、可能な限り高い効率で動作するように駆動電流を最適化し、全体の消費電力を削減します。データセンターでは、冷却に使用されるエネルギー量が総消費電力の約半分になり得ることから、電力消費が非常に重要視されています。そのため、わずかな効率改善を実現することにより総消費電力が数kWhが少なくなり、CO2出量と運用コストが削減できます。

本製品は閉ループ速度制御により、ファンの単体構成または直列ブースト構成において動作を最適化することができます。速度制御を使用すると、温度や他のシステム入力に基づいて共振を防止し、冷却効率を向上させることができ、消費電力を削減できます。さらに、閉ループ速度制御を使用することにより、モータの製造公差により発生する速度のばらつきを無視することができ、外部での調整や較正の必要性がなくなります。

高度な集積化により、A5932に少数の外付け部品を組み合わせることで外部MOSFETブリッジを駆動可能にし、最大400Wの負荷に対応するソリューションを提供します。またセンサレス転流アルゴリズムにより、ホールセンサー、接続ピン、電源バイアスが不要になり、システムの消費電力が減少し、コストも削減できます。さらにセンサレスソリューションでは、モーターの性能に影響を与えるホールバラツキを無視できることによって、モーターの生産を簡素化することができます。

一般的にマイクロプロセッサーをベースとしたソリューションは、モーターやブレードの種類などで変わる様々な負荷条件に対してソフトウェアを開発し、テストする必要があります。アレグロの完全に統合された転流アルゴリズムは、搭載するEEPROMを変更することにより、多種多様なモーター負荷を駆動することができます。

これはソフトウェア開発、コンパイル、デバッグする必要がないことを意味し、すべてのパラメータを、シンプルかつ理解しやすいグラフィックインターフェイスで修正ができるため、市場投入までの時間が短縮し、ソフトウェア開発チームの負担を削減できます。

BLDCモーターは、従来のブラシ付きモーターに比べ寿命がはるかに優れており、またブラシ摩耗がないためメンテナンス費用が削減できます。しかしながら、ブラシの摩耗だけが問題ではありません。アレグロの正弦波駆動アルゴリズムは、トルクリップルの発生が低く抑えられているため、モーターの振動が低減し、結果的にベアリングの摩耗を低減できます。この低振動および低トルクリップルは、可聴ノイズを低減する効果もあり、家電機器やコンピュータ用途のファンにとっては重要な要素であります。

アレグロの高集積三相センサレスゲートドライバICは、高度な正弦波モーター駆動アルゴリズムとEEPROMを組み合わせることにより、高性能なシステムソリューションを提供します。A5932は、システムのパラメータを容易に設定できる、最適なソリューションです。

一般的なマイクロプロセッサーベースの開発サイクルとアレグロソリューション(容易に使用可能なGUI、IP・ソフトウェア開発削減)の比較

Copyright SANKEN ELECTRIC CO.,LTD.