SVC06シリーズ

ノイズについて

インバータノイズ

 インバータ部におけるスイッチングによって発生するノイズ。
 スイッチングごとにインバータ、ケーブルやモータと大地間に存在する浮遊容量(C)を経由してノイズ電流(i)を大地へ放出します。 この時のノイズ電流(i)は、 浮遊容量(C)、スイッチング速度(dv/dt)とスイッチング周波数に関係します。

  i = C * dv / dt

上記ノイズの周波数帯は、およそ30〜40MHz以下で低周波帯を使用しているAMラジオなどの影響を与えますが、それ以上の周波数帯を使用しているFMラジオやテレビには、ほとんど影響がありません。

ノイズの種類
  1. 伝導ノイズ
     インバータ内で発生したノイズが、導体を伝わって周辺機器への影響を与えるノイズ。
    (入力電源経由、アース線を共通接続の場合、センサ等の信号線やシールド線経由)
  2. 誘導ノイズ
     ノイズ電流の流れているインバータの入出力線(パワー線)と周辺機器の信号線(小信号線)が近い場合、電磁誘導や静電誘導によって周辺機器の電線や信号線にノイズが誘導。
  3. 放射ノイズ
     インバータ内で発生したノイズが入出力の電線がアンテナになり空中に放射され周辺機器に影響を与える。

インバータを制御盤に収納する場合、設置する場合は、以下のことに注意してください。

注意
  1. パワー系と信号系の配線を分離する。制御信号配線のノイズの影響を受けにくくする。
  2. 信号系にシールド線、ツイストシールド線、金属管などを用いる。
    (シールドは、一点のみを信号線のコモン側に接続。多点接続によるループの形成を避けてください。)
  3. 最適な接地工事を行う。シールド線のシールドは必ず一点接続をする。(信号線のコモン側に接続し多点ループを避ける。)
  4. ノイズフィルタを設置する。(零相リアクトル、ラジオノイズフィルタ、入出力ノイズフィルタ)
  5. 入力電源に絶縁トランスを採用する。
  • ノイズを受ける側でも、シールド、ラインフィルタ、チョークコイル、フェライトコアビーズ、接地線の対応なども有効です。

ノイズ対策例

ノイズ対策一覧
ノイズの現象 原因(推定) 対策 備考
1. AMラジオの雑音 電源側からの放射ノイズ
  • 電源側にLCフィルタを入れる。
放射ノイズ
出力側からの放射ノイズ
  • インバータ出力側に金属管配線をする。シールド配線をする。キャリア周波数を低減する。
電源側動力線からの放射ノイズ
  • 入出力側、出力側に誘導性フィルタを入れる。
    • 零相リアクトルへの巻回数は可能な限り多くする。
    • LCフィルタを設置する。(入出力)
接地線がアンテナになる放射ノイズ
  • 接地線の配線方法
    • 接地線を周辺機器と離す。
    • 接地線を金属管に入れる。
    • 4芯ケーブルを使用して、1本を接地線として使用する。
2. 電話の雑音 インバータ及びモータの高周波漏電電流(漏電電流が接地線を経由して電話ケーブルのシールドアース部に流れたことによる静電誘導による雑音)
  • モータの接地端子の共通接続しインバータ盤に戻し入力端子と接地間にコンデンサを入れる。
誘導ノイズ
3. 圧力センサの誤動作 シールド線を経由してノイズが回り込む
  • 入出力側にLCフィルタを入れる。
  • 圧力センサのシールド線を機械筐体から、圧力センサ0V線(コモン)へ変更する。
伝導ノイズ
4. プログラマブルコントローラの誤動作 ノイズが電源を通して入った。
  • 入力側に容量性フィルタとLCフィルタを設置する。
  • 出力側にLCフィルタを設置する。
  • キャリア周波数を低減させる。
伝導ノイズ
5. エンコーダの誤動作 動力線と信号線による誘導ノイズ
  • 入力側に容量性フィルタとLCフィルタを設置する。
  • 出力側にLCフィルタをする。
誘導ノイズ
放射ノイズ
動力線と信号線による放射ノイズ
  • 信号系にシールド線、ツイストシールド線、金属管などを用いる。
6. 周辺機器への誤動作 インバータ及びその入出力配線と機器の配線間の浮遊容量を通してノイズ侵入
  • 信号線は、2芯以上のシールド線を使用する。
伝導ノイズ
誘導ノイズ
インバータノイズが電源側の電線を通じて機器に侵入
  • 電源系統を分離する。
  • 電源側にノイズフィルタを設置する。
  • ノイズカットトランスを設置する。
インバータ入出力線に流れる電流により磁界が生じ、機器の配線と鎖交することでノイズを誘導
  • 入出力配線に3芯ケーブルを使用する。
  • 主回路配線と機器信号線を分離する。
7. インバータの誤動作 リレー、電磁接触器の誤動作
  • コイル部にサージキラーを挿入する。
 
制御信号の誤動作
  • シールド線やツイストペア線を使用する。
接地方法
  • 専用接地がベスト。
  • 接地点は極力近くする。
  • 接地線は短くし、他の動力線、信号線から必ず分離配線する。

ノイズ対策リスト

インバータが発生源
1 伝導ノイズ
ノイズフィルタを挿入する。
相手機器にノイズフィルタを入れる。
ノイズカットトランスを設置する。(シールドは、必ず接地する。)
入力電源を別系統から取る。
2 放射ノイズ
電源側に入力ノイズフィルタを挿入する。
出力側配線を金属管に入れる。(放射ノイズ、誘導ノイズを除去。)
出力側配線、または接地線などをチューブなどで包む。
配線を被害機器とはなす。
被害機器の配線にシールドを行う。
インバータ本体を金属ケースで覆いシールドする。
3 誘導ノイズ(電磁誘導、静電誘導)
制御信号線をシールド線及びツイスト線などで配線する。(シールドは、一点接地する。)
動力線と制御線を分離配線する。
動力線と制御線を遮へいする。
別ルートで配線して誘導の影響を確認する。
インバータが被害を受ける場合
1 インバータが誤動作して停止
周辺にサージ、ノイズの発生機器はないかを確認する。
電磁開閉器、リレー等のコイルにサージキラーを設置する。
制御信号線にシールド線やツイスト線などを使用する。
接地は問題ないかを確認する。
一点接地、専用接地をする。
200V系はD種、400V系はC種の接地を行っているかを確認する。
接地線は十分太く、最短かを確認する。
2 動作が不安定
制御信号線にシールド線やツイスト線などを指定しているかを確認する。
動力線と制御線を分離配線する。
別ルートで配線して誘導の影響を確認する。

一般にインバータノイズの相手機器への影響は、下記に示す条件によって変化します。

  1. 相手機器のノイズ耐量
  2. 通信機器の感度
  3. 受信電波の電界強度

ノイズ耐量、感度、受信電波の電界強度が弱い場合は、インバータの影響を受けますのでノイズフィルタの設置が必要です。

参考資料: JEMA「インバータの上手な使い方(電気ノイズ予防対策について)」

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