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2010年

電気二重層キャパシタ式 瞬低補償装置
「FULLBACK SPU-EDLCシリーズ」新発売
-高効率、長寿命でランニングコストも大幅に抑制-

2010年2月9日

サンケン電気株式会社は、バックアップ時の電力源として「電気二重層キャパシタ」(*1)を採用した瞬低補償装置「FULLBACK SPU-EDLCシリーズ」(出力電力: 100kVA)を開発しましたのでお知らせします。出荷開始は平成22年3月から、価格は2,000万円(消費税込み:2,100万円)を予定しています。瞬低の頻発する電源環境にある化学工業関連工場や半導体製造関連工場などの各種機器のバックアップ装置として最適で、当面10台/半期を販売目標としてスタートします。

1. 開発背景・製品概要

諸外国に比べ、我が国においては、電力会社から供給される電力の品質・状況は大変良好です。しかし、短い停電や電圧変動、さらには、瞬低(瞬時電圧低下:電圧低下率20%以上、低下時間0.2秒以下)と呼ばれる電源障害が年間5回程度発生しています(電力会社資料より当社調べ)。

オフィスやデータセンターなどのコンピュータ、ストレージ、あるいは半導体製造装置などは、電源障害の規模によっては、ネットワークシステムが停止したり、機器、設備が停止し業務が滞るだけでなく、復旧までの時間や工数も計り知れず、大きな損害を発生させます。

そのため、電源障害に備えて、バックアップ用電源としてUPS(無停電電源装置)を設けて対策するのが一般的となっています。

このUPSは、バックアップ時の電力源として鉛蓄電池を使用しています。しかし鉛蓄電池は、長時間にわたりバックアップできる(標準5−10分)反面、バックアップ動作により放電した際、再度、規定の状態まで充電するのに時間がかかる、また、頻繁な充放電の繰り返しに弱い、周囲温度により劣化しやすい、あるいは寿命が短く、3〜5年に一度交換が必要である、などの特性があり、特に前述のような「瞬低」が頻繁に発生する電源環境では使用が限られたり、頻繁なメンテナンスが求められてきました。

そこで、当社では、この対策として、バックアップ時の電力源に、急速充電が可能で、短時間の繰り返し充・放電に強い「電気二重層キャパシタ」を用いた瞬低補償装置「FULLBACK SPU-EDLCシリーズ」を開発したものです。

「FULLBACKSPU-EDLCシリーズ」は、電力変換部に、高効率(変換効率:97%)が特徴の「パラレルプロセッシング方式」(*2)を採用し、電気二重層キャパシタの特性を十分に活かすべく、急速充電機能などをより強化した瞬低補償装置です。

また、アクティブフィルタ機能(高調波抑制回路)を備え、電力系統への影響を低減するとともに、無瞬断で瞬低を補償できるもので、瞬低の多い電源環境でかつ半導体製造装置や工場生産設備などのように瞬時の停電で大きな影響を受ける機器、設備に最適な瞬低補償装置となっています。

さらに、電気二重層キャパシタはメンテナンスフリーで、しかも期待寿命が15年と長く、また装置周囲の温度依存性が少なく劣化が少ないため、従来の鉛電池の使用時に対し、大幅なメンテナンス費用の削減につながります(100kタイプで2回分のバッテリ交換費用:約360万円)。

*1…電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric double-layer capacitor)
活性炭と電解液の界面に発生する電気二重層を動作原理として利用したコンデンサ。活性炭が電極として使用される。固体として活性炭、液体として電解液を用いて、それらを接触させるとその界面にプラス、マイナスの電極が極めて短い距離を隔てて分布する。この様な現象を電気二重層という。
*2…パラレルプロセッシング方式
充電および高調波電流補償用のコンバータモードと、瞬低時のインバータモード を一つの双方向変換器で行う電力変換方式。

2. 主な特徴

(1) バックアップ時の電力源に電気二重層キャパシタを採用

  1. 15年間メンテナンスフリー(鉛蓄電池は3〜5年)。
  2. 繰り返しの瞬低による頻繁な充放電に強い。
    (10万回以上。鉛蓄電池は200回から2,000回)。
  3. 使用温度範囲が広い(-25℃〜70℃。鉛蓄電池は-15℃〜40℃)。

(2) 復電後の急速充電が可能

双方向変換器により、電気二重層キャパシタの急速充放電が可能(補償時間によるが鉛蓄電池は約8時間)。

  1. 定格放電時間の2倍以内で充電可能(定格放電時間5秒以内の場合10秒以内に充電)。
  2. 瞬低後に再瞬低が続いてもすぐに停電補償が可能。
  3. 初期充電時間が早い。
    電気二重層キャパシタは、完全放電後においても定格放電時間の約20倍で充電可能(定格放電時間5秒の場合、100秒以内)。

(3) 復電戻り時間が短い

  1. 独自の位相引き込みと、電圧・位相同期判定切換機能により、復電時、バックアップ転から商用運転への切換が早い(従来0.1秒→その約1/10=0.01秒)。そのため電気二重層キャパシタのエネルギー消費を極力押さえられ、必要最小容量にできる。
  2. バックアップ時間以外の放電を最小限にすることにより、電気二重層キャパシタの最適設計が可能。

(4) 高効率

常時は負荷高調波電流補償、電気二重層キャパシタ補充電をするとともに商用で給電する。このときの効率は97%と高効率。

(5) 高い過負荷特性

高速スイッチの過負荷耐量は、700%・2秒と高く、起動容量の大きいモータ負荷にも対応可能。

(6) アクティブフィルタ機能

アクティブフィルタ機能により、負荷設備側の高調波電流を抑制し、入力電流が力率1の正弦波になるように制御。
また、単相負荷が接続されても三相入力電流をバランスさせることが可能。

(7) 小型・軽量

瞬低補償装置は、充電と高調波電流補償するコンバータ、瞬低補償時のインバータを一つの双方向変換器で実現し、絶縁トランスも使用していないため小型・軽量。

3. 仕様概要

項目 規格値 備考
定格出力容量 100kVA/80kW  
給電方式 パラレルプロセッシング  
切換方式 無瞬断(2msec以下)  
交流入力 相数・線数 三相3線  
電圧(変動範囲) 200,210V±10%  
周波数(変動範囲) 50/60Hz±5%  
アクティブフィルタ動作時
(商用運転時)
入力力率 0.98以上 定格入出力時
補償率 80%以上 100%整流器負荷時
交流出力 相数・線数 三相3線  
定格電圧 200,210V 交流入力電圧と同じ
定格周波数 50/60Hz 交流入力周波数と同じ
アクティブフィルタ動作時
(商用運転時)
出力電圧精度 交流入力電圧と同じ  
周波数精度 交流入力周波数と同じ ±1〜14%の設定可能
過負荷耐量 700% 2秒  
効率 97%以上 定格kW時
インバータ動作時
(バックアップ運転時)
定格出力電圧精度 ±2%以内  
周波数精度 ±0.1%以内  
過渡電圧変動 ±5%以内  
電圧波形歪率 3%以下(線形負荷)  
5%以下(整流器負荷)  
過負荷耐量 150%  
効率 94%以上  
蓄電部 種類 電気二重層キャパシタ 日本ケミコン(株)製
バックアップ時間(注) 5秒 10秒 期待寿命15年
充電時間 10秒 20秒 定格放電後

(注)2秒も可能。


以上

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