2009年12月16日

降圧スイッチング方式レギュレータIC
「NR880Kシリーズ」を発売
高効率(94%)、位相補正回路内蔵で外付け部品も削減

 サンケン電気株式会社は、同期整流型の降圧スイッチング方式レギュレータIC「NR880Kシリーズ」(出力電流3Aで、出力電圧は可変<0.8〜14V>と固定<3.3V, 5.0V>)を開発、サンプル出荷を開始しましたのでお知らせします。サンプル価格は200円です。量産出荷は2010年4月を予定、当面月産100万個でスタートし、2011年春には月産500万個を見込んでいます。

 
1. 開発背景・製品概要
   薄型テレビなどのAV機器やプリンタなどのOA機器には、DSPをはじめとした信号処理系ICが多数使用されています。
 これらのICに電源を供給するレギュレータICの入力電力は主電源から供給され、従来は5V系、9V系、12V系など複数の出力回路を持っていました。しかし、機器の低価格化に伴い、コスト削減のため主電源の出力回路数が削減され、出力回路を1つでまかなうようになり、レギュレータIC の入力電圧は12V系などの高い電圧になっています。
 その反面、信号処理系ICの電源電圧の低電圧化に伴い、レギュレータICの出力電圧は低くなっています。このように、入出力電圧の差が大きくなるとレギュレータICの効率は低下します。
 そこで、内蔵している2つのMOSFETの内、出力側のMOSFETのオン抵抗を下げたことで、効率を改善した(94%:弊社従来品は92%)降圧スイッチング方式レギュレータIC「NR880Kシリーズ」を開発したものです。
 加えて、レギュレータICの内部回路を工夫することで、待機時など軽負荷になると効率が低下する点も改善しました。(33%:弊社従来品は22%、VIN=18V, Vo=3.3V, Io=0.02A時)
 また、信号処理系ICが高性能化し、処理量により消費電力が急激に増加する場合があり、その際にレギュレータICの出力電圧は瞬間的に低下します。そして、信号処理系ICは電源電圧の低下が大きいと誤動作する場合があります。「NR880Kシリーズ」は電流モード制御方式(*)を採用していますので、瞬間的な出力電圧の低下から高速で回復することができますので誤動作を回避できます。
 さらに「NR880Kシリーズ」はアナログICとしては最高レベルの微細化(0.35ミクロン)プロセスを採用したことでチップの小型化が図れ、加えて回路設計精度の向上によって位相補正用の部品(2点)の内蔵ができました。そのため、外付け部品・設計工数の削減が可能になりました。なお、従来は位相補正回路を内蔵した場合、入出力条件が制限されることがありましたが、「NR880Kシリーズ」は弊社独自の回路を採用したことで入出力条件の制限なく使用できます。

*電流モード制御方式
出力電圧の変動を制御する方式の1つ。出力電圧だけをICにフィードバックさせて出力電圧を安定化する電圧モード制御に対し、出力電圧だけでなく出力電流の変動もICにフィードバックさせることで出力電圧を安定化させる方式。電圧モード制御はスイッチング動作が不安定で異常発振しやすいが、電流モード制御はスイッチング動作の安定度が高く、異常発振しにくい。またレギュレーション特性に優れる。そのため異常発振を抑制する出力平滑用のコンデンサに抵抗値が小さい小型セラミックコンデンサが使用可能。また出力平滑用のコイルの容量も小さくすることが可能。
 
2. 特徴
 
高効率 :94% max(VIN=8V, Vo=5V, Io=0.8A時)
電流モード制御方式採用 :出力コンデンサにセラミックコンデンサを使用可能
位相補正回路内蔵 :外付けの位相補正回路不要
発振周波数 :350kHz, 500kHz, 750kHz
保護機能 :垂下過電流保護機能、過熱保護機能、低入力禁止機能
付属機能 :出力オン/オフ制御機能内蔵
:時間調節可能なソフトスタート機能内蔵
小型パッケージ採用 :裏面放熱パッド付SOP8ピン(HSOP8)
(樹脂部寸法5.2×4.4×1.5mm)
 
3. 用途
 
薄型テレビ、ブルーレイレコーダ/プレーヤなどのAV機器、プリンタなどのOA機器、他のDSPをはじめとした信号処理系ICの電源
 
4. 仕様概要
 
項目 規格値 単位
NR880K NR883K NR884K NR881K NR882K
入力電圧範囲 4.5〜20 6.3〜20 8〜20 V
出力電流 3 A
基準電圧(Typ) 0.8 V
出力電圧 0.8〜14 3.3 5.0 V
動作周波数(Typ) 350 500 750 350 350 kHz

以上
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