2007年10月17日

車載用で小電流(3A)・高信頼を実現
DCモータ駆動用IC「SPF7302」を開発
直噴エンジンのスワール・タンブルバルブ開閉に最適

 サンケン電気株式会社は、自動車の直噴エンジンに使用されるスワール・タンブルバルブの開閉を行うDCモータ駆動用IC「SPF7302」を開発し(パッケージ:面実装16Pin、耐圧:36V、電流:3A)、11月5日からサンプル出荷を開始しますのでお知らせします。量産出荷は来年1月より月産5千個でスタート、2009年末には月産5万個を見込んでいます。サンプル価格は800円(税抜き)です。
1. 開発背景、製品概要
   自動車の低燃費化を図るため、さまざまな直噴エンジン(*1)が開発されています。直噴エンジンでは、ガソリンを直接シリンダー内に噴射しますが、その際、シリンダー内に均一・適正にガスを行き渡らせるため、シリンダーの中にスワール渦流、タンブル渦流(*2)と呼ばれる空気の渦流を発生させてガス化したガソリンの流れを制御しています。この渦流を作り出す機構の一つにバルブの開閉で行う方式があり、その駆動にはDCモータが使用されています。
 しかし、このDCモータは電流定格が1A程度と小電流で動作するにもかかわらず、これまでは車載用として適切な出力電流の駆動用ICがほとんど存在していなかったため、やむを得ずスロットルバルブ用等の大きなIC(5A〜6A)が代替的に使用されてきました。
 そこで弊社では、DCモータの駆動に必要なフルブリッジ構成の回路を採用、定格電流を3Aにし、また、低損失な低オン抵抗のパワー素子(MOS FET)を1チップ化して小型面実装パッケージに封入したDCモータ駆動用IC「SPF7302」を開発したものです。
「SPF7302」は車載用としての厳しい信頼性を確保するため、過熱保護、低電圧保護はもとより、2段階の過電流保護回路や、またこのクラスのモータ駆動用ICでは初となる過電圧検知、出力端子オープン検知機能などを始め、負荷側の保護だけでなく、IC自体の保護にもなるさまざまな保護・付属機能を内蔵しています。
 また「SPF7302」は車載用として高信頼化を図っているため、スワール・タンブルバルブだけでなく、他の小電流での車載用途(例:ドアミラー位置調整、ルームTV稼動など)での使用にも最適なICとなっています。
(*1) 従来型のエンジン 事前に吸気管内でガソリンと空気を混合したうえでシリンダー内に噴射し燃焼させる。
  直噴エンジン 空気、ガソリンとも直接シリンダー内に噴射し、シリンダー内で混合し燃焼させる。この空気を吸入する際に開閉バルブなどが使用される。
(*2)

直噴エンジンにおいて、シリンダー内で空気とガソリンが均質に混合されるようスワール・タンブルバルブにより発生させる渦流。
・スワール(Swirl:横)渦流…シリンダー内を円周に沿うように流れる空気の渦。
・タンブル(tumble:縦)渦流…シリンダー内を上下に循環するように流れる空気の渦。

 
2. 特徴
(1)

高放熱の小型面実装パッケージ採用
熱抵抗3.2℃/W(接合部−ケース間)の放熱性の高い小型面実装パッケージを採用
(樹脂部寸法:12×7.5×2.5mm、サンケン呼称:SPF16Pin)。

(2) 低オン抵抗のMOS FETを1チップ化
パワー素子に低損失な低オン抵抗(オン抵抗:150mΩ、typ)のMOS FET(4石)を1チップ上に搭載。ハイサイド素子はチャージポンプ回路方式で駆動。
(3) 2段階で動作する過電流保護回路を各パワー素子ごとに搭載
・3Aで動作する電流制限機能(3Aを超えたMOS FETのみ電流制限動作。電流制限解除機能付)。
・6Aで動作する保護機能(負荷短絡など6Aを超えた場合に全MOS FETをオフ。動作時信号出力)。
(4)

出力端子オープン検知および動作時信号出力
モータの断線、結線の断線などを検知、信号出力することでシステムの信頼性を向上。

(5) 2つの入力信号で動作を制御
2つの入力端子への信号の印加により、DCモータへの正転・反転・ブレーキ動作の切り替え制御に対応。
(6) 充実の保護・付属機能内蔵
・低電圧保護および動作時信号出力
・過熱保護および動作時信号出力
・過電圧検知および動作時信号出力
 
3. 仕様
 
項目 規格値 単位 備考
主電源電圧 -0.3 〜 36 V  
出力電流 ±3 A  
±6(パルス) 1kHz, Duty<1%, Pulse<10μs
許容損失 39 W 無限大放熱板使用時
出力MOS FETオン抵抗 300(max) Io=1A
接合部温度 -40 〜 +150  
以上
ページトップへ
Copyright SANKEN ELECTRIC CO.,LTD.