2007年7月10日

電流モード制御採用の降圧スイッチングレギュレータIC
「SI-8005Q」を発売
=レギュレータ回路を従来比50%小型化可能=

サンケン電気株式会社は、レギュレータ回路を従来比50%小型化することが可能な電流モード制御方式(注:末尾)を採用した降圧スイッチングレギュレータIC「SI-8005Q」を開発、サンプル出荷を開始しましたのでお知らせします。「SI-8005Q」は小型HSOP8パッケージながら出力電流3.5Aを供給可能で出力電圧は0.5V〜24Vの可変タイプです。このICは一昨年買収した米国子会社ポーラセミコンダクター(PSI)とのコラボレーションで開発したチップを使用した初めての製品となります。チップの電気特性仕様をサンケン電気が提示し、PSIが独自のBCDプロセスで回路設計、レイアウト設計し、チップ製造まで行ったものです。量産出荷は2007年10月を予定、当初月産10万個でスタート、2008年3月には月産100万個を見込んでいます。サンプル価格は400円です。
1. 開発背景、製品概要
   近年、各種電子機器に使用されるマイコン、DSPなどの信号処理系ICは、機器の省電力化に伴い電源電圧が低電圧化し、同時に電源電圧は多岐にわたっています。また機器の小型化、薄型化、高機能化に伴う実装部品の増加などにより、ICが実装される基板の小型化が強く求められています。その結果、基板上に実装されるレギュレータ回路の面積の低減が求められています。
そこで弊社では、出力コンデンサに小型のセラミックコンデンサを使用可能な電流モード制御方式を採用した降圧スイッチングレギュレータIC「SI-8005Q」を開発しました。
 「SI-8005Q」は内蔵する出力MOS FETのオン抵抗を165mΩmaxと低く抑え損失を低減、またBCDプロセスを採用することでチップサイズの小型化が図れたため小型面実装パッケージ(HSOP8)に実装することが可能となり、弊社従来品比約4分の1(樹脂部実装面積)に小型化でき、この結果、レギュレータ回路部分の基板面積を従来比約50%小型化することが可能になりました。
 また、出力電圧は0.5Vから可変可能なため、近年の信号処理系ICの低電源電圧化に対応した電圧を容易に設定することが可能です。さらに入力電圧範囲が4.75〜28Vと広範囲ですので24V系の電源から直接駆動が可能です。
 
2. 主な用途
  PDP-TV, LCD-TV, HDD・DVDレコーダーなどのメモリ、マイコンなどの信号処理系IC
 
3. 特徴
(1) 電流モード制御方式採用
・抵抗値が小さくかつ小型のセラミックコンデンサが使用でき、レギュレータ回路を従来比約50%小型化可能。
(2) 優れたラインレギュレーション(Max:60mV)
(3) 内蔵MOS FETのオン抵抗165mΩmax
・小型面実装HSOP8(裏面ヒートシンク有り)パッケージ採用で出力電流3.5A。
(4) 広範囲な入力電圧範囲 (4.75〜28V)
・24V系の電源から直接駆動が可能。
(5) 出力電圧範囲 (0.5〜24V)
・基準電圧が0.5Vと低いことから、各種電源電圧のICに対応可能。
(6) 高効率
・最大94%(VIN=8V, Vo=5V, Io=0.5A時)。
(7) 動作周波数 (500kHz)
・平滑チョークコイルの小型化が可能。
(8) 各種保護機能内蔵
・垂下型過電流保護機能
・過熱保護機能
(9) 付属機能
・ソフトスタート機能内蔵
・出力ON/OFF機能内蔵
・低電圧ロックアウト(UVLO)機能内蔵
 
4. 仕様概要
 
項目 SI-8005Q SI-8000FD(従来品:参考) 単位
入力電圧範囲 4.75〜28 4.5〜43 V
出力電流 3.5 3.5 A
出力電圧範囲 0.5〜24 0.8〜24 V
動作周波数 500typ 300typ kHz
オフ時回路電流 20max 600max μA
効率 90typ 83typ %
ラインレギュレーション 60max 80max mV
ロードレギュレーション 60max 50max mV
パッケージ(樹脂部寸法) HSOP8(5.2×4.4×1.5) TO263-5(10×9.2×4.5) mm

注.電流モード制御方式…出力電圧の変動を制御する方式の1つ。

<従来方式:電圧モード制御方式>
出力電圧の変動をICにフィードバックさせることで出力電圧を安定化させる方式。回路構成上、スイッチング動作が不安定になり出力電圧がふらつくなど異常発振しやすく、これを抑制するため、出力コンデンサに抵抗値が大きくかつ容積の大きな電解コンデンサを使用する必要がある。

<新方式 :電流モード制御方式>
出力電圧だけでなく出力電流の変動もICにフィードバックさせることで出力電圧を安定化させる方式。回路構成上、電圧モード制御方式のように異常発振が起こらないため、出力コンデンサには抵抗値が小さくかつ小型のセラミックコンデンサを使用することが可能。
以上
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