2007年5月21日

車載用HIDランプ点灯用IC「SPF5104」を開発
独自のスタックドマルチ構造採用で実装面積4分の1を実現
-HIDランプ用電子バラストの小型化、低価格化に貢献-

 サンケン電気株式会社は、このほどパワー素子2個を上下に重ねるスタックドマルチ構造(特許出願中)を開発、制御素子とパワー素子4個を面実装パッケージに1パッケージ化し、実装面積を当社従来品比4分の1に小型化した、車載用HID(High Intensity Discharge)ランプ点灯用IC「SPF5104」を開発しましたのでお知らせします。
 5月30日よりサンプル出荷(サンプル価格:1,000円)を開始し、量産は月産1万個で10月からスタート、2010年秋以降には月産20万個を見込んでいます。
1. 開発背景、製品の概要
   近年、車載用前照灯として搭載率が増加しているHIDランプは、既存のハロゲンランプに較べ明るさ、消費電力、寿命の点で優位となる特徴をもっていますが、HIDランプを点灯させるためには安定した電力を供給する電子バラストが必要です。HIDランプの普及には、電子バラストの小型化、コストダウンが重要で、搭載部品にも小型化、低コスト化が厳しく要求されています。

 これまで弊社では、制御素子とパワー素子4個をひとつのパッケージに入れたHIDランプ点灯用ICを販売してきましたが、従来品は、これら素子を同一平面上に5つ並べて配置しシングルインラインパッケージに封入するものでした(樹脂部寸法31×16×5mm)。これに対し、このたび独自のスタックドマルチ構造によりパワー素子4個を2組にし、各々上下に重ね、制御素子と合わせ三つを並べて面実装パッケージに封入することで、従来品比約4分の1の実装面積(樹脂部寸法17mm×7.5mm×1.8mm)を実現した「SPF5104」を開発しました。
一方、車載用HIDランプには発光物質として水銀が使用されており、環境保護の点から代替物質としてキセノンガスを使用する傾向にあります。キセノンガスは発光効率が低いため、ランプ起動時には大電流が必要で、パワー素子には電流増による発熱が増すことになります。

 そこで、パワー素子には、従来のMOS FETに較べ発熱の低いIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を採用して発熱を低減するとともに、フレーム自体がヒートシンクとして露出するパッケージに封入することで、フレームから直接、放熱することができ、高い放熱性も実現しました。
 
2. 特徴
(1) スタックドマルチ構造で面実装パッケージに搭載
パワー素子2個を上下に重ねる独自のスタックドマルチ構造を採用、合わせて面実装パッケージ(樹脂部寸法17mm×7.5mm×1.8mm)の採用で従来品のシングルインラインパッケージ(樹脂部寸法31×16×5mm)に比べ約4分の1の実装面積を実現。

<従来構造>
・制御素子とパワー素子4個を同一平面上に配置


<スタックドマルチ構造>
・パワー素子2個を上下に重ね制御素子と同一平面上に配置
(2) パワー素子にIGBTを採用し高放熱性パッケージに搭載
MOS FETに較べ大電流時の発熱が低いIGBTを採用し発熱を低減。また、フレーム自体がヒートシンクとして露出するパッケージを採用したため、直接、フレームを基板・放熱板などにはんだ付けすることで高い放熱性を実現。大電流が必要で発熱も大きな水銀レスランプにも対応可能。
(3) 専用制御素子搭載
HIDランプの点灯には高電圧が必要なため、600V耐圧の第3世代BCDプロセスを採用し、ハイサイド側パワー素子の電源用ブートストラップ回路、各種保護回路を内蔵した専用制御素子を開発・搭載。
(4) 各種機能搭載
・低電圧保護回路機能
・イニシャル動作機能
・パワー素子の同時オン防止機能
・ブートストラップ回路用ダイオード機能
(オプション仕様でダイオードを内蔵可能)
3. 仕様概要
 
項目 記号 規格値 単位
min typ max
IGBT
出力降伏電圧
BVout 500 - - V
IGBT
出力ON電圧
Vout(on) - 1.8(@Io=3A) 2.4(@Io=3A) V
回路電流 IB - 2 5 mA
以上
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