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2016年CSR活動ハイライト2016年CSR活動ハイライト

環境対応製品
環境対応製品

光源にLEDを採用した長寿命の航空障害灯

航空機の安全航行に障害となる恐れのある煙突・鉄塔・アンテナ・橋梁などの高層構築物には、航空機から容易にその存在を認識できるように航空障害灯を設置する必要があります。
このため航空法では、高さ60m以上150m未満の高層構築物には中光度白色航空障害灯を、高さ150m以上の高層構築物には高光度航空障害灯を設置することが定められています。
航空障害灯は、24時間運用可能なため、航空障害灯を設置した物件は航空法施行規則により昼間障害標識(黄赤色と白色の帯状塗装)を施す必要はありません。
当社はキセノンランプを光源とした航空障害灯を1976年に開発し、以来小型化など種々の改良を行いながら約40年間国内の高層構築物に航空障害灯を提供し続けてきました。
この度、環境配慮型製品として、LEDを光源とした中光度白色および高光度航空障害灯を開発しました。
特徴としては下記の4点が挙げられます。

(1)キセノンランプでは1年に1回交換が必要でしたが、LED化により長寿命となり、閃光装置発光部はメンテナンスフリーを実現したため、高所作業の回数を減らすことができました。

(2)キセノンランプは高圧リレーで光度切替(昼間・薄明・夜間の3モード)をしていましたが、半導体回路での制御となり、より高信頼化を実現しました。

(3)キセノンランプ型閃光装置と取り付けに互換性を持たせたため、容易にリプレースが可能です。

(4)航空障害灯はRoHS指令非対象製品ですが、閃光装置発光部のLEDモジュールおよび電源部のプリント基板等をRoHS準拠品とし環境に配慮しています。

また、閃光装置を制御する管制器に関しても、設置場所に適したカスタマイズ可能な設計となっています。

従来機種と比較し、あらゆる条件で大幅に効率を向上させた制御用電源

病院等の施設に設置されているテレビや冷蔵庫にはカードタイマーという装置がついており、利用者は自動販売機などでプリペイドカードを購入して装置に挿入することでテレビや冷蔵庫が利用できるようになります。

このカードタイマーに搭載される組込み用電源の省エネに寄与する開発を行いました。特徴としては24時間稼働する制御用電源なので、待機電力を可能な限り少なくなるような電子回路にするため、当社製IC:STR3A153を使用いたしました。当ICは低消費電力および低待機電力に対応するため、起動回路とスタンバイ機能を内蔵しています。通常動作時はPWM動作、軽負荷時はバースト動作へ自動的に切り替わります。

変換回路を工夫することで従来機種と比較し、1台当たり待機時=1.8W、定格時=3.5Wの消費電力削減を実現しています。出荷数量は30,000台/年間を予定していますので新旧比較では年間で約364トンのCO2の削減が見込まれます。

今後は本機をベースに同じような出力電力の汎用電源へ、回路を展開していきたいと考えています。

  従来機種 開発機種 改善%
定格時損失 6.41W 2.98W 53.5%
待機時損失 2.55W 0.73W 71.4%
部品点数 50点 40点 20.0%
年間CO2排出量比較(30,000台)
条件:24時間通電/1日、365日/年間稼働
CO2換算係数 0.556kg-CO2/kWh
2014年度電気事業連合会(全国平均)にて算出

超低待機電力対応AC/DC 電源用IC

家庭でもオフィスでも、エネルギー使用機器に対してエコ・省エネを実現するための技術向上は常に求められています。
代表的なエネルギー規制に欧州連合(EU)によるErP(Energy-related Products)指令があります。
ErP指令は製品分野または搭載機能によりカテゴリー分けされた様々な規制があり、エコ設計が義務付けられています。
プリンタやテレビなどは、使用していない時でもコンセントにACコードが接続されていると、微少な電流が流れてしまいます。一般的にはこのような状態での消費電力を抑えるため、スタンバイモードが搭載されています。
電源の入力部分では、相容れない次の問題があります。
電磁妨害の原因となるEMIノイズの低減のためにACラインの両端にコンデンサ(これはライン間をまたぐため、Xコンデンサと呼ばれる)を接続する必要があり、さらに電源出力が増加するとEMIノイズも増大するため、それを防止する、Xコンデンサも大容量化する必要があります。

一方、国際安全規格IEC62368-1の要求ではAC入力をOFF後、2秒以内にACプラグの電圧は60V以下(0.3μF以上のXコンデンサの場合)にしなければならず、通常は放電用抵抗を用いてコンデンサの残留エネルギーを放電しています。
ここで問題なのが、この放電用抵抗の抵抗値です。低ければ簡単に放電しますが、この放電用抵抗は常時AC入力側に接続されるため、電力損失の主要因となってしまうことです。
今回初めて、電流共振制御のAC/DCコンバータ用電源ICの内部にXコンデンサを放電する機能を搭載した製品を開発することに成功しました。
これによりスタンバイ時の電力損失の低減を実現するとともに国際安全規格の要求もクリアし、ノイズの低減も解決する事が出来ました。

なお、この電源ICは軽負荷の高効率スタンバイ機能も搭載されています。
出荷数は、約7,000,000個/年間を予定しており、これによりCO2削減効果は図のようになります。

今後は、さらなる低スタンバイ電力、軽負荷高効率および設計の容易さを追求した電流共振ICの開発を進めていきます。

損失比較 従来品 開発品
SSC3S927
スタンバイ時 225mW 180mW
年間CO2排出量比較(7,000,000台)
条件:稼働時間16時間/日
CO2換算係数 0.587kg-CO2/kWh

太陽光と同じ自然光を再現したLED照明

LED照明は発光効率が年々上昇しています。
これまでのような省エネのニーズにはもとより、「光の質」を問われるニーズが出てきており、それは、太陽光なみの高い演色性を求められる市場において顕著になってきています。
その業界は、「印刷会社の色検査工程」「化粧品等の美容関係」「アパレル・服飾商品展示」および、自動車関係の塗装工程、板金修理工程、ディーラーなどがあります。更に美術館におおいては、従来の蛍光灯では「紫外線」で美術品が劣化してしまう弊害がありましたが、LED照明ではそれを防止することが出来ます。高演色の特殊照明はAAA蛍光管と呼ばれており、この市場においてはLED照明化が遅れています。ここに当社独自の手法で開発を行い、市場参入しています。

演色AAAの最低値は、JIS Z9112において平均演色評価数Ra=95以上と定義されています。(太陽光がRa=100)これに対し、当社製超高演色LED照明は、Ra=97で、他社よりも優位性を誇っています。

他社製の「色評価用蛍光ランプ」を本製品に置き換えた場合、消費電力は、45%削減(41W⇒22.4W)でき、寿命も4倍(10,000時間⇒40,000時間)となり、省エネ・省資源に貢献できます。
本製品の出荷数量は10,000本/年間を予定しています。
今後は省エネ光源として発光効率を90Lm/W⇒130Lm/Wに向上させさらに、住宅の居間やキッチンなどの照明の質を良くしていくことにも挑戦をしていきたいと考えています。

損失比較 他社製の色評価用
蛍光ランプ
開発機種
消費電力 41W 22.4W
《置き換えによるCO2削減寄与》
条件:8時間点灯/1日、240日/ 年間稼働
CO2換算係数 0.587kg-CO2/kWh

小型高性能 表面実装電流センサーIC ACS780 / ACS781

一般的に回路電流を測定する典型的な方法は、電流を伝達する導体と直列に電流検出抵抗を接続する方法があります。その抵抗の両端の電圧降下をオペアンプで測定し、オームの法則から回路電流値が計算されます。

大電流を扱う用途においては、ボード上で発生する熱を最小限に抑えるため、低抵抗値(通常1〜50mΩ)の抵抗が必要となります。しかし、抵抗値が低すぎると検出電圧が小さくなり、測定精度が低くなります。また、低抵抗値の電流検出抵抗は部品サイズが大きくなり、PCB(プリント基板)面積を消費します。電流検出抵抗の熱係数とオペアンプの電圧オフセットも測定誤差の発生原因となります。これをふまえ、設計者は測定精度、消費電力、温度管理、PCB面積、コストのバランスをとる必要があります。

電流は、測定する負荷のグランド付近(ローサイド)ではなく、電源電圧(ハイサイド)の近くを測定することが最良とされます。ハイサイドで測定すると、グランドの変動に対する影響が避けられ、グランド短絡の検出が可能となるためです。電源電圧と用途によっては、電流検出回路の接続に基礎絶縁または強化絶縁が必要になる場合があります。電流検出抵抗、オペアンプを使用してハイサイドを測定する場合は、コモンモード入力範囲の高いオペアンプが必要となり、設計が複雑化します。絶縁を実現するために、追加のオプトカプラなどの絶縁素子と絶縁電源が必要になり、更に複雑さが増し、コストが上昇します。

一方、アレグロマイクロシステムズによって提供されるホール効果電流センサーICは、電流検出抵抗の必要性を排除します。測定する電流はICに内蔵する導体部を直接流れ、その導体部から生成される磁場を測定します。

本ICは、6.4×6.4mmの表面実装LRパッケージに収められています。
電流は内蔵する導体に流れ、磁場を生成し、チップに搭載されたホール素子が感知します。フリップチップアセンブリ技術を使用することにより、ホール素子は、リードフレーム上の磁場が最も高い部位からとても近い場所に配置されています。このパッケージにより優れた信号雑音比(SN比)が得られます。

アレグロ電流センサは電気的に絶縁されており、ハイサイドにおいても効率的に電流を測定することができます。
ACS780LRは、電源電圧が100V未満のアプリケーションを対象としています。その構造は、チップ上のアクティブ回路に電流が流れる導体部と電気的に接続されていないため、固有の絶縁を可能にします。
全体として、パッケージングと回路設計の進歩により、ホール電流センサICを使用してPCB上の50Aを超える電流の測定が容易になりました。小型で表面実装型のACS780/781を使用することにより、電力損失が少なく、正確かつ電気的に絶縁された検出が安価に実現できるようになりました。

ACS780 / 781と電流検出抵抗+オペアンプ構成の比較
  電流検出抵抗 + オペアンプ ACS780 / 781
BOM(部品数) 検出抵抗を含むため部品点数多数 小型面実装部品に全ての電流検出機能を内蔵
基板面積 部品数が多いため部品実装面積が大きい 小さな基板面積で電流検出を実現
電力損失 ACS780/781と比較し2〜4倍の抵抗値のため、基板上で発生する熱による電力損失が大きい 0.2mΩの低抵抗値により電力損出が少なく、放熱に必要な基板面積もとても小さい
ライフタイムドリフト はんだ接合部のインピーダンスが長期的に変動し、測定誤差を引き起こす 磁場のみが測定されるため、はんだ接合部の経時変化は誤差にほとんど影響しない
浮遊磁場 浮遊磁場の影響なし 差分検出技術により浮遊磁場による影響を排除
測定精度と分解能 精度は抵抗値の温度特性に依存。低抵抗値の電流検出抵抗においては低電流時の測定が困難。低ノイズオペアンプ使用により分解能は良い 標準精度±1%適切なフィルタリングにより低電流測定は60mAまで可能
ノイズ 高インダクタンススイッチングにより、ブランキングおよびセトリング時間を必要とするノイズの多いイベントが発生 ICのフィルタリングと内蔵シールド層がGNDに結合され、安定した出力信号を生成

低損失、低リーク電流を実現したショットキーバリアダイオード

OA機器、産業機械、通信機器などエネルギー使用機器内部のスイッチング電源の2次側整流用ダイオードとしてショットキーバリアダイオードが多く使用されています。
世の中の省エネ要求は強まる傾向であり、ショットキーバリアダイオードに対しては、導通損失低減のために、抵抗に相当するVF特性を下げることが不可欠です。また、PN接合ダイオードと比較してリーク電流が大きいデバイスのため、熱暴走破壊が懸念され、IR特性を如何に抑制するかが重要な要素となります。

このVF特性とIR特性は、トレードオフの関係にあり、両立が困難な技術です。これを実現するにあたり素子内部にトレンチ構造と呼ばれる溝を形成することで解決しました。この構造を採用することで、抵抗成分のもっとも大きいシリコン層を削減して低VF化できます。また、リーク電流は、素子に形成するバリア電極に依存するため、最適な電極を選定することで低IR化も両立します。
なお、トレンチは、凹凸の出来る構造となるため、バリア電極を均一に形成しないとリーク電流の原因となります。そのため、均一に安定して生産できるプロセスを確立させ、量産を可能にしました。
25℃のVF特性は、同チップサイズを搭載する製品と比較すると従来品が0.81Vに対して開発品は0.71Vとなり12%も低減させることができました。

また、この製品がスイッチング電源に搭載された場合、表のように0.3Wの電力損失の改善になります。
IR特性は、従来品よりも約60%低減することができ、熱暴走し難いことで放熱設計の余裕度が向上します。
出荷数は、FMET-23010、FMET-24010それぞれ約300,000個/月を予定しています。
これによりCO2削減効果は図のようになります。

損失比較 従来品 開発品
定格時 5.5W 5.2W
年間CO2排出量比較(7,200,000台)
※稼働時間16時間/日、CO2換算係数 0.587kg-CO2/kWh
Copyright SANKEN ELECTRIC CO.,LTD.